＜ 釣り方 ＞

スッテで狙えるイカは、主にスルメイカ、ケンサキイカ、ヤリイカですが、時にはソデイカ（関西ではタルイカ）がヒットすることもあり
ます。場所やその年の釣れ具合によりズレることもありますが、釣期はスルメイカが5〜6月、ケンサキイカが6〜12月、ヤリイカ
が12〜2月がハイシーズンになります。地域や時間帯によって、仕掛けや釣り方が異なってくるので、ここでは、おおまかにスッ
テ釣りについて書いてみました。

基本的なタックルとして、ロッドは2〜2,5mのものが使いやすいでしょう。イカは身切れしやすい獲物なので、関西では軟調で60
〜80号負荷用のロッドを中心に使いますが、深い水深で、重たいオモリを使用し、激しいシャクリで狙う関東方面のヤリイカ釣り
のように、硬調で先調子のロッドを使う場合もあります。

水深が浅いところでの釣りなら、手巻きリールでも問題ありませんが、水深50〜100m以上での釣りになるなら、小型もしくは中
型電動リール、これに道糸＝PE5５号前後を300m程度巻けるものが良いでしょう。道糸の先には集魚ランプを、その先にスッテ
仕掛けを連結し、最後にオモリを付けます。最近は色も大きさも、様々な種類の集魚ランプが売っていますので、予備を兼ねて
数種類のランプを試してみると良いでしょう。また日本海のケンサキイカ釣りなど、夜間でも集魚ランプを使わない場合もあります
ので、船長の指示を聞きながら、地域にあった釣り方をしてください。

スッテに関しても大きさや色、材質、触感の違うものが数多く出ています。装着するスッテの数が多いほど、広いタナを探れるこ
とは言うまでもありませんが、通常は5〜8個ぐらいが一般的です。スッテの数が多くなるほど回収時や投入時の仕掛けの扱い
が難しくなるので、自分がさばけるエダスの数にとどめておきましょう。また、潮の速さや、２枚潮など、海況に応じて、スムーズ
に手返しできるスッテの数に決めます。色に関しては、時間帯や、船の集魚灯の光量や光色、イカの食性など、いろんな要素に
影響され、その地域ごとに、たいてい「ご当地カラー」なるものがあります。「ご当地カラー」の間に、自分のお気に入りスッテや
試したいスッテを挟みながら、その日のイカの機嫌を窺がってみると、その日の「アタリスッテ」が見えてくるので、ナンバー1〜3
ぐらいに絞り込んで、スッテを入れ替えていくと釣果アップに繋がります。

エダスの間隔は1〜1.5m、エダスの長さは5ｃｍぐらいを基本にしていますが、スッテに食らいついてくる魚が邪魔な場合は、直
結仕掛けにすることによって、魚を避けることもできます。ヤリイカ釣りではプラズノを中心に使いますが、中に1、2個スッテを混
ぜてみると良い日もあります。

誘い方は、スルメイカにはシャープで激しい誘いが、ヤリイカやケンサキイカには、優しく大きい誘いが一般的で、アワセのシャクリ
も入れずに、追い食いをさせながら回収していくのが基本ですが、イカの警戒心と好奇心は、その日によってバランスが違うもの
で、毎回基本通りかというと、そうではありません。優しさと激しさの組み合わせを、色々変えながら、その日のヒットパターンを
探るのが、この釣りの面白みです。思い込みに縛られず、色々試してみると思わぬ爆釣に持ち込めるかもしれません。1杯目が
ヒットしたら、一定のテンションを保ちながら身切れしないように優しく巻き上げます。追い食いさせながらの回収も、その日のイ
カの反応が良いスピードを探ると数釣りに繋がるでしょう。